2008年09月

テレビ

先日、テレビ朝日の大胆MAPという番組に高木梢先生がピアニストとして出演しました。さすがにテレビの反響というものは凄いものです。たまたまテレビを見ていた昔の友人や全然知らない人まで、多くの連絡があったり、ブログの検索数はこれまでの何倍にもなったみたいです(°o°;

今回、高木先生の仕事のひとつとして教室の仕事も紹介するということで何人かの生徒さんにいろいろ協力して頂きありがとうございました。といっても結局放送に使われたのはSさん三姉妹+お母さまだけでしたね…(T_T) たまたま今日も森音楽事務所で演奏の仕事をしているヴァイオリニストの林こずえさん(なんだか高木先生に名前似てますが…)日本テレビの「所さんの目がテン」という番組の収録で私も行ってきました(10月5日の放送なのでよかったら見てみて下さい)。この時も同じく、テレビというのは、ほんの少しの放送時間のために、その何十倍の時間を収録し、使われるのはほんの少し。さらに、ひとつの番組には何十人ものスタッフを費やしてようやく番組が出来上がるという、かなり長大なものです。まあ今回のことで高木先生が(ヴァイオリンの林さんも)急に売れっ子になったりすることはまず絶対にないので(残念ながら…)、生徒さん達も安心してこれまで以上にきちんとレッスンに取り組みましょう。

そしてまた機会があれば是非。

よく考えると、たった数十分の演奏のために何十時間も訓練をし続ける音楽家と似ています。さらに音楽家は、その何十時間の訓練のために、十数年~何十年も訓練をし続けているのです。どの世界でもひとつの大きなものを成すには相当な労力が必要ということですね。

ヴァイオリンの価値

演奏の仕事などでよくお客さんに言われるのが「あのヴァイオリンは良い音がするね~」とか「あのヴァイオリンはいくらくらいするのかい?」ということ。でもたぶん、その演奏者が仮に安いヴァイオリンで演奏したとしても、きっと同じことを言われるような気がします…。まあそんなものです。

実際に、良い音というのは9割以上はヴァイオリニストの腕にかかっているといえるでしょう。実際に先日あるライブで(よくテレビなどでもやることですが)数万円のヴァイオリンと○千万のヴァイオリンの聴き比べという「遊びイベント」をしたのですが、結果は安い方のヴァイオリンと○千万と答えた人が6割、って…むしろ安い方の楽器を高いと答える始末、完全にほとんどの人がわからなかったのです。ちなみに純銀のフルートとメッキのフルートの聴き比べも同じような結果…。ある有名なヴァイオリニストが自身のコンサートで数億円のストラディバリウスと10万円のヴァイオリンを比べた時も会場のお客さんの8割が安い楽器をストラディバリウスと答えたと言いますから…。なんとも悲しいことです(>_<) まあ1曲きちんと弾いたり、近くで聴くとだいぶ分かりやすくなるんですけど…。

なぜかヴァイオリンに限っては、特別高級な楽器と思っている人が多く、なんでも良い音はヴァイオリンの楽器自体が良いからとか、生徒さんでもうちはお金がないからヴァイオリンは習えないとか(むしろピアノより安く気軽に始められる楽器なんですけどね)、ちょっと思い違いをされているような気がします。元々はそういう楽器じゃないはずなんですけど…。とりあえずは安い楽器でも上手であればそれなりに美しい音は十分出せますので、気軽な気持ちで始めてみてはいかがでしょう。。

日本音楽コンクール

日本で最も名誉のあるのが日本音楽コンクール。今年で第77回、10代~25才位の若い音楽家達が自らの実力を試す、日本で最も大きなコンクールです。

今年はピアノに知り合いや友人が多く出ていることや、そのうちの1人がとても有望なこともあり、よい機会だと思い初めて1次予選と2次予選を聴きに行きました。9月20日に3次予選がありますが他の仕事でいけないのが残念…。このコンクールはかなりの長丁場で、1次(212名)→2次(42名)→3次(10名)→本選(4名)と勝ち残っていき、すべて勝ち残るとすると、1人あたり相当な曲数と時間を演奏し、なおかつ全ての分野を弾かなければなりません。今年は、1次はベートーヴェンのソナタ、たった6~7分の演奏で1/5までに落とされるので、明らかに飛びぬけている数名(明らかに落ちるだろう人も)を除き誰が通るかは微妙な差。しかも1次はみんな演奏の完成度が高いので、審査はなおさら大変そう…。

2次はバッハ平均律・ショパンのエチュード・他エチュード・フランスもの、1人あたり20分程度の演奏。2次は1次と違いかなり完成度が落ちてくる。なぜなら3次や本選の曲もやらなければならないし、2次の曲のせいもあるけれど、やはり10代後半~25才のこれからという人たちには相当な重量だし、精神力も必要だと思う。だから2次は明らかに自身の本来の姿が出てしまう。演奏のミスはあるとして、やはりフランスものは決定的なセンスの差が出やすい。私が聴いた6人中、結局3次に行ったのは友人を含む2人で両者ともフランスもので他と差がありました。3次はモーツァルトのソナタ・邦人作品・自由曲。最後の本選はオーケストラと協奏曲、3次の成績も加え1位~3位が決定します。

本来、音楽という世界はスポーツのように順位を決められるものではないのですが、日本音楽コンクールは若い音楽家限定のオリンピックのような「夏祭り」みたいなもの。ここで優勝しても大成せず消えてゆく人もたくさんいますし、コンクールに全く無縁でも大出世する人もたくさんいます。ただ、出場する若者たちが必死でやっている姿は、普通のクラシックコンサートとは違った面白さとスリリングさと感動があるのも事実です。興味のある方は是非行ってみて下さい。

CD紹介-11♪チェリビダッケ~チャイコフスキー「交響曲 第5番」

チェリビダッケ(1912~1996年)はルーマニア生まれのドイツで主に活動した歴史に残る大指揮者。第二次大戦中から直後までベルリンで活動(ベルリンフィル等)、その後イタリアなどヨーロッパで活動、南ドイツ放送交響楽団を経て、1979年よりミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団の指揮者となる。

私がこのCDを買ったのは1997年(発売も同年)、チェリビダッケが死去したのが1996年、存命中は彼の意思によりレコードやCDはほとんど正式には出版されなかったため演奏はコンサートのみでしか聴くことはできなかったようですが、死後は家族の意向によりこれまで録音していたものが出版されるようになり(何気に録音してたんですね…)、今では多くのCDが発売されています。1997年当時、これらチェリビダッケ死後直後に発売された初期のCDはかなり衝撃的なものでした。もちろん私は(年齢的にも)生で聴いたことはないですから、その時の衝撃と感動は今でも忘れることはできません。

このCDの演奏はとにかく凄いですが、聴く前にジャケットのチェリビダッケの顔写真だけでその凄さがわかります(^^;) まして実際に聴けば、第一楽章の始まる一音目から、とにかく凄まじい雰囲気が漂ってます…。

たしかチェリビダッケが日本のお寺でお茶を飲んでる写真を見たことがあった気がしますが、日本の文化・芸術がかなり好きだったらしく頻繁に日本を訪れていたようです。なぜ日本を好んだのか、それは彼の演奏を聴くとよくわかりますし、日本で人気が高いのもうなずけます。演奏はかなりゆったりしているのが多く、ブルックナーなんて元々長いのがさらに長くなっています。重厚かつ雄大、そしてティンパニは凄いです(°o°; まるでお寺の梵鐘かと思ってしまうほどのインパクト・・。

チャイコフスキー作曲「交響曲 第5番」
指揮:チェリビダッケ
オーケストラ:ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団
1991年 ライブ録音

922.jpg


プロフィール

drecom_mori_music

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ